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スイカのお話 [Novel]




ころ ころ 転がってゆくのは
夏の忘れ物かしら・・・

あの、暑かった夏を思い出すわね。

そうだ
今日はスイカのお話しでも。。。





***** ----- ***** ----- ***** ----- ***** ----- *****










さあ今日は、おっきなスイカを食べようね。

種がたくさん見えるのと、種が全然見えないのと。。。
さぁ、どっちがいいかな?

僕は種がたくさん見えるのがいいな。
私は、種がないほうがいいんだけど・・・。

ふふふ。。。 種は無くならないけれど、
切った時に見えないようには出来るのよ。
ほら、見てごらんなさい。

へぇ~。。ホントだ♪
  このスイカ、種がないみたいに見えるね。
不思議だね。
どうして種がなくなっちゃったのかなぁ・・・。

ねぇ・・・。どうしてぇ・・・?


それはね。。。
スイカの縞模様が、こんな不思議を創ってくれているのよ。
じゃあ今日は、スイカのお話をしてあげましょうね。。








  その昔、スイカはもっと小さくって、緑色をしていた。
  つるっとまあるいスイカには、まだ縞々はなかったんだ。


     どんな植物も、自分の仲間を増やすために、たくさんの種を作るんだ。
     だけど、同じ場所に種を落としてしまうと、自分の息も出来ないくらい、
     ニチクチに押し合いへし合いになってしまう。
     土からもらえる栄養だって、奪い合いになって・・・。
     種さえ出来なくなっちゃうんだ。

     だから、少しでも遠くへ・・・。
     種を運んでもらいたいんだよ。
     遠くまで飛んでいく、鳥さんにお願いしてさ。

     でもスイカは、緑色。
     まわりの草と同じ色のスイカのことを、
     あんなに高い空を飛んでいる鳥さんに気付いてもらうのは、
     とっても難しい。
     だって、草もスイカも同じ色だからね。

     一度突いてもらえば、真っ赤で甘いんだって分かってもらえるのに・・・。
     このままじゃ、誰も気付いてくれない。
     どうしたらいいんだろう。。。

     スイカは、何日も、何日も、一生懸命考え続けました。
     どうしたら、
     空を自由に飛ぶ鳥さんを振り向かせることが出来るのか・・・?
     朝も昼も夜も、いつだって考え続けて・・・。
     眠れない夜が続いた日の朝。

     まぶしい朝日に目を細めとき、ふと気付いたのです。
     目がまだゆらゆらしている中で見た、木立の色と風景。
     緑の草原よりは濃い色をした縞々。。。
     なんて、はっきり見えるんだろう。。。

     そうだ ! そうしよう。。

     遠くから飛び続けている鳥さんは、きっとノドがカラカラだ。
     だから、水を探しているはず。
     そういうと、スイカは大地から、たっぷりの水を吸い上げて、
     身体いっぱいに水をためた。
     すると、むくむくと身体が大きくなり始めた。

     スイカは大きく膨らむために、緑の硬い皮にヒビを入れた。
     そして抱えるほどの大きさになったとき、硬い皮のところの濃い緑と、
     新しい皮のところの薄い緑が、きれいな縞々になって・・・。
     あの日見た、木立模様になったことを喜んだ。

     あの日、濃い色のところがよく見えたよな。
     鳥さんにも、きっとそこが目立って見えるはず。
     だったら、この濃い皮の下に、運んで欲しい種を集めておこう。
     きっと、ここを最初に食べてくれるはずだから・・・。


     スイカは、そう思ったの。
     もちろん、高い空からも、緑の草原に負けないで、
     はっきりと見つけられたのよ。


     だから、ほらね。
     濃い縞々の所を切ると、種がいっぱい見えるでしょ。
     薄い緑のところを切ると、ほらね。。。
     種が全然見当たらないわ。
     スイカって、すごいでしょ♪








命をもらって育てるものは
次へと繋げる道を
一生懸命考えるの

たくさん たくさん考えて
その努力のずっと先にあるものが
また
新しい命を 繋いでゆくの

たとえ種をつけないモノ達だってね
すべての 命あるものの
  チカラが集まって

大切な命を守っていくのよ

ステキでしょ









 * スイカのお話は、フィクションです。
   でも、スイカを切ってみると、このお話を思い出してもらえるかも。。。



 2005-08-03 22:53:40up
 2007-09-10 改




  - 記憶のメモ -

 スイカの縞々を見ていたとき、なんで縞々なんだろ・・・って考えました。
 もちろん、縞の黒い所に種が詰まっていることは知っていましたが、
 なぜだろう・・・。。。
 何で、ここがこんなに濃くなっているんだろう・・・?
 あはは。。
 相変わらず、変な所に固執するゆめ乃ですぅ。。(笑)

 んで、もしかしたらこんなお話があるのでは・・・?
 昔、むか~し。。そのまた昔の、あんな頃には・・・・。




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コメント 17

yann

物語集めて、本が作れるね♪
予約しちゃいます。
でも、活字の時は縦書きにしてね。
by yann (2007-09-10 10:52) 

ガンバルおやじ

島の黒いところにタネが詰まっているとは知りませんでした~ (^^;)
by ガンバルおやじ (2007-09-10 12:37) 

misaboo

スイカのシマシマって、黒んとこに種が詰まってたんだ。
知らなかったな。
生き物ってすごいよ。ちゃんと次につなげるために
必要な事をしてる。ただひたすらに。
スイカ食べるとき、ゆめ乃さんのお話思い出しながら
ちゃんと味わって食べてみよう。
by misaboo (2007-09-10 14:21) 

e_chan

子供の頃
種を食べたら 鼻や耳から
葉っぱが出てくるんじゃないか
心配していました。。。
そんな思い出が「ふっ」と出てきました!!
今は、スイカアイスが大好きです。 ^^;
by e_chan (2007-09-10 19:57) 

miwa

来年、スイカを切る時思い出しそうです♪
by miwa (2007-09-10 21:22) 

ゆめ乃

yannさん、こんばんは☆
本は、無理だっちゅうにゃ。。
んでも、たくさん貯まったら、パソで縦書きの冊子を作って、送ってあげる・・・かもかもよ(笑)
当てにしないで、まっててね♪
by ゆめ乃 (2007-09-13 23:44) 

ゆめ乃

ガンバルおやじさん、こんばんは。
今度、スイカを切るときに試してみてください。
お子さんたちに、種無しスイカマジックを見せてあげれるかもね。
by ゆめ乃 (2007-09-13 23:46) 

ゆめ乃

misabooさん、こんばんは。
お話は、あたしの思いつき☆想像の物語だからね(^-^)
本当は、どうして縞々なのかわかんないんだ♪
でも、こんなお話しを思い出せたら、なんとなく楽しいでしょ☆
いつの日か、ふと、思い浮かべてくれたら、うれしいな。
by ゆめ乃 (2007-09-13 23:49) 

ゆめ乃

e_chanさん、こんばんは。
ははは。。
葉っぱが生えてくる・・・って、わかるわぁ~
あたしも、よく思ったもの。
だから、種を出すのに一生懸命になっちゃったりしてね(笑)
そうそう。。
あのスイカアイスは、なかなかリアルぅ。
あたしも、大好きです☆
by ゆめ乃 (2007-09-13 23:52) 

ゆめ乃

Anneさん、こんばんは。
ぜひ、たねのある位置を思い出してね。
んで、種が切り口に出るようにすると、スプーンで種を落として、
それだけで、ほとんどの種がとれることになるから、
その後かぶりつくのに、とっても便利ですよ^^
by ゆめ乃 (2007-09-13 23:55) 

ゆめ乃

kajyuaさん
COCOさん
takagakiさん
ひでさん
binpakuさん
やおかずみさん
西尾征紀さん

こちらも読んで下さって、ありがとうございます。
種が一定の場所に集まっているって、ちょっと不思議ですよね。
お客様にお出しするときなど、覚えておくと便利かも!?ですぅ(^-^)
by ゆめ乃 (2007-09-14 00:00) 

 こんばんは。
 視点が面白くて、引き込まれますね。
by (2007-09-14 23:48) 

アールグレイ

スイカの切り方で、スイカの様子も変わってきますね。
ある一面で決め付けていないかしらと、ふと思ってしまいました。
ゆめ乃さんのお話で、いろいろ考えさせられます。
スイカのお話、当たりまえのように受け止めていることも
疑問に思うと世界が広がりますね^^
by アールグレイ (2007-09-15 00:02) 

ゆめ乃

みみけんさん、こんにちは。
読んでくださって、ありがとうございます。
何気ない日常の中にある、ちょっとした不思議を・・・なんてね(笑)
気付けば、身の回りにはいっぱい、不思議ねたがあるようです(≧∇≦)
by ゆめ乃 (2007-09-18 12:31) 

ゆめ乃

アールグレイさん、果物の種って不思議ですよね。
スイカの種が黒い線の下に多かったりするのが、ホントは何故だかわかんないんですけどね(汗
たとえば、りんごの種が真ん中にあって、中に行くほど甘い蜜がたっぷり詰まっていたりするのは、
中まで鳥さんに突いてもらうため。
甘くするのは、我を忘れて大きく口を開けて食べてもらうため。
大きく口を開けてもらえば、種が傷つくことが少なくなるから・・・なんてね(笑)
ほんとに、たくさんの不思議があって。。
お話の種もつきません(^v^)
by ゆめ乃 (2007-09-18 12:42) 

ゆめ乃

keyさん
HALさん

こんにちは。
お話しを読んでくださって、ありがとうございます。
まだまだ下手くそですが、よろしければまた見てくださいね。
by ゆめ乃 (2007-09-18 12:52) 

ゆめ乃

寂光さん、こちらにもnice!をありがとうございます。
下手なお話ですが、よろしければまた読んでくださいね^^
by ゆめ乃 (2007-09-27 00:30) 

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