雨のまど -1- [Novel]
少し風が冷たく感じた そんな夜は
やわらかなランプの灯りのもと
他愛もない物語でも読んでみませんか?
今回はちょっとながめのお話なので、
何回かに分けてありますが、
よろしければ、読んでみてくださいね☆
雨のまどは、お話の順に読んでいただけるとうれしいです。
よろしければ、番号をクリックして読んでくださいね^^
| 雨のまど | -1- | -2-つぎへ | -3- | -4- | -5- | -6- |
ぼくは、追いかけていたんだ。 .
とおい想い出のあとを・・・。 .
君とすごした、あのときが、 .
ぼくには、いちばん楽しかったんだと･･･。 .
ある朝、小さな声が、
美香の眠っている部屋の下のほうから、聞こえるような気がした。
窓を開けて、きょろきょろ見回す。
でも、なあんにも見つかんない。
だから、もう一度、耳を澄ませてみた。
「ミュウ…ミュウ」と、かすかな声。
美香は、そばにあったカーディガンを着て、あわてて階段を駆け下り、
美香の部屋の真下のある、庭先へと続く引き戸を、そおっと開いてみた。
ミルク色した濃い霧が、部屋の中まで忍び込んできた。
「ぅわあぁ･･･、すっごお～い。」
「なぁんにも、見えないやぁ･･･。」
よおく周りを見渡してみた。
濃い霧にも阻まれ、なかなか近くも見えない。
こんなにも濃い霧は、美香はまだ見たこともなかった。
やっと昇った太陽の光りが、美香の足もとに届く。
緩んだ空気が、わずかに揺れて、霧の隙間をつくり、
白いプランターの向こうに、かすかに動く影を見つけた。
「あれっ ? 」
そおっと、影に近づいていく。
しっぽが見えた。
「あっ。ワンちゃん。」・・・あわてて口を押さえた。
「わぁ。。。驚かしちゃうところだったわ。」
右手をそおっと差し出した。
仔犬は、ぬくもりを感じる掌に、鼻をこすりつけ、
ぺろっと小さな舌でなめ始めた。
「ワンちゃん、お腹がすいているのね。」
「まっててね、いまミルクをもってきてあげる。」
そういうと、くるっと振り向いて、ちいちゃくウインクをし、
サンダルをピョンピョンと脱ぎ捨て、台所へとダッシュしていきました。
ぼ～んと、居間の柱時計が、５時を告げる。
ドタドタと足音と共に、美香は台所へ飛び込んだ。
『あら、美香どうしたの ? きょうはやけに早起きね。』
「あっ ! お母さん。もう、起きたの･･･?」
『あなたこそ、すっごく早起きね。 どうしちゃったのかしら
? 』
『ふふふ。へんな夢でも見ちゃったのかしら・・・。』
「なんでもないの。 牛乳を飲むわ。」
そういうと、食器棚から、こっそりお皿を取り出して、冷蔵庫の扉を開けた。
「ごちそうさま。」
そういうと、ゆっくり、ゆっくりと歩いて、下屋のほうへ行った。
母は、見逃さなかった。
《あのこは、いったいどこへ行くのかしら･･･。》
そう思うと、こっそりと美香の後をついていった。
美香は、サンダルをはき、くぅんと声のするほうに歩いていく。
「はい、ミルクだよ。たくさんお飲み。」
と、ミルクの入ったお皿を、仔犬の前にそっと置いた。
だけど仔犬は、クンクンにおいを嗅いで、鳴くだけだった。
「ここよ、このお皿の中よ。・・・わかんないの ?」
『美香ちゃん。ワンちゃん小さすぎて、まだ目が見えないみたいよ。』
「おかあさん !!」
『ふふふ。ないしょだったら、もうちょっと上手にね。』
『ほら、ワンちゃん。ここよ。』
そう言って、仔犬の鼻先を、ミルク皿に付けてやった。
すると、いきおいよくペチャペチャと舐めはじめました。
「あっ、ほんとだぁ。やっぱり、まだ赤ちゃんなんだね。」
『そうね、ほら、まだあんよがヨロヨロしているわ。』
【おい、お前たち、なにをしているんだ。】
「あぁ。。おとうさん。ワンちゃんの赤ちゃん。。。」
『あなた、まだ目が見えないくらいの赤ちゃんなのよ。』
【そうか、だが、家では飼わないからな。
なつくといけないから、ほおって置け。】
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・おとうさぁ～ん。」
【だめだ。 あんまりかまうと、情がうつってしまうぞ。】
「お・と・う・さぁ～・ん～」
『美香・・・。仕方がないわよ。あきらめましょう。
あぁ･･･。 まだ、目も見えないのに･･･。かわいそうねぇ。』
おかあさんが、人差し指を唇に立てて、ちっちゃくウィンクした。
(え～ぇ。。おかあさんたら･･･、なんだろう ? )
仕方がないので、美香は顔を洗って、ご飯を食べていた。
「おかあさん。おとうさんどうしたの ? ご飯食べないの ?」
『どうしたのかしらねぇ。さっきから、姿が見えないのよ。』
『どこ行っちゃったのかしら・・・? まあ、ご飯すましちゃいなさい。』
それから１時間後、玄関からお父さんが入ってきた。
【お～い !! 美香。 ミルクを持って来てくれ。】
「どうしたの ? おとうさん。」
「わ～あぁ。ワンちゃん。」
【はっはっは。 玄関から入ってくれば、もう家族の一員さ。】
「ねぇ。。名前を考えなくっちゃ。」
『ねぇ、美香。おとうさん優しいでしょう ? 』
『おかあさんは、さいしょっから分かっていたのよ。ふふふ。』
「わぁぃ。おかあさんも、おとうさんも、だあいすき。」
こうして僕は、彼女達の家族の一員として、暮らすようになりました。
穏やかな日々は、あっという間に過ぎ去るものだと、このときの僕には考えもつかぬものでした。
***** ***** ***** ***** *****
たくさんのみなさま。。
こんなにも拙いブログを見に来てくださって、ありがとうございます。
そして、nice! を押してくださった、たくさんの方々。
本当にありがとうございました。
気付けば、4000nice!
うっかり踏まれたtamanossimo様には、押し付けのキリ番カードをご用意させていただきました(笑)
ご迷惑とは思いますが、よろしければお持ち帰りくださいませ^^
この写真は、春を待ち焦がれるナデシコのシベの写真です。
光きらめく春を憧れる子供のような、
純粋なうれしさと感謝を込めて。。。
tamanossimo様に届けられたなら・・・と思います。
ありがとうございます☆これからもどうぞよろしく♪
*** おぼえがき ***
フォト、クチコミ地図、プロフィールのサービス終了とのお知らせが・・・。
相変わらず、突発的な終了報告ですねぇ。。。
あのharbotの終了の時を思い出しちゃいました。。
せめてもう少し余裕を持ってというかなんと言うか・・・。。
行き当たりばったり感の無いような工夫をしていただきたいものだと思いました。
このブログは、だいじょうぶなのかしら・・・・ ( 汗 )
すみません、これは本当にただの覚書ですのでスルーしちゃってください ^ ^ ; 。
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もし、気に入っていただけたなら^^
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キリ番押し付けカード☆
ゆめ乃さま・・・
おめでとうございます！
いただいたカード、宝物にします。
ありがとう！！
by tamanossimo (2010-01-13 04:09)
素晴らしいファーストシーンですね。
次が待ち遠しく、とても楽しみです。
実はぼくも、「セピア色のノスタルジア・約束」という小説を書いていて、
たった今、仔犬の場面を書いているところでした。
余りの偶然に驚いています。
これからも頑張って下さい。とても楽しみにしています。
by 未来 (2010-01-13 06:24)
4,000nice達成、おめでとうございます (^^)v
by ガンバルおやじ (2010-01-13 10:02)
いいなあ、ほっかりと心が温まりました。
また、楽しみにしています。
by kakasisannpo (2010-01-13 12:55)
ほのぼのとしたイラストとお話。
いいですね。
あとでもう一度味わいます。
by furukaba (2010-01-13 15:42)
こんにちわ☆
ストーリー素敵ですね！読ませて頂きました！
あと、4000nice!おめでとうございますo(´▽｀*)/
素敵なプレートですね！これからも宜しくお願いします。
by qoo2qoo (2010-01-13 16:35)
4000nice!すごいですね。
これからも心温まるポエム続けて下さいね。応援してます。＾＾!）
仕事帰りに空き地から出てきた子猫の声に、手を差し伸べそうになりました。責任が持てないので出した手を引っ込めましたが、あの時のノラは元気に生きているかな・・・。
by NsHome (2010-01-13 20:58)
ﾌｫﾄ 唐突な終了宣言に ちょっと怒っております・・・
それはともかく ４０００ナイスおめでとうございます＾＾
物語の続きを楽しみにしてますね～
by yann (2010-01-13 21:08)
４０００nice! すばらしいですね！！
穏やかな日々はあっという間に 過ぎ去るものだと。。
とっても 気になります。
覚書の意味が理解できないでいます。
もしかして 管理ページを見れば 分る事かしら！？
こんな コメントを書けているのに どうもフリーズしてしまっているようです。
by ララアント (2010-01-13 22:44)
娘のＰＣを開いてみたら nice!もコメントも入っていました。
そして 管理ページを開いて確認しました。
どういうことなのか イマイチ理解できていませんが
くちこみ地図とか利用している方が多いように思いますが
それが使えないということのようですね！
by ララアント (2010-01-13 23:00)
4,000nice!、おめでとうございます☆(^_-)-☆
今年も楽しみに拝見させていただきます♪よろしくお願いいたします♪♪
by すぅ〜ちん♪ (2010-01-14 04:32)
心温まるストーリーに朝からじっくり読ませていただきました。
次のストーリーも楽しみです。
by gehirn (2010-01-14 08:27)
おはようございます。
４０００niceおめでとうございます。(^^♪
心温まるお話、次も楽しみにしています。(^o^)
by 彩美 (2010-01-14 09:54)
tamanossimoさん、こんばんは。
4000番目のnice!な足跡を残してくださって、
本当にありがとうございました。
それにうれしいだけで押し付けてしまったカードを、
快くお受け取りいただけて、宝物にしていただけるなんて、
ますますうれしくなっちゃいました^^
ありがとうございます。
拙いブログですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします☆
by ゆめ乃 (2010-01-15 01:52)
未来さん、こんばんは。
ありがとうございます^^
この後はちょっと息切れをしているかもしれませんので(笑)
また叱咤激励のほどをよろしくお願いいたします。
それにしても、ステキな偶然ですね。
未来さんの書かれた仔犬の登場シーンを、この日のことを思い浮かべながら、
いつか読ませていただきたい気持ちです^^
「セピア色のノスタルジア・約束」が完成するのを、楽しみにしています。
by ゆめ乃 (2010-01-15 01:58)
ガンバルおやじさん、こんばんは。
お祝いを、ありがとうございます^^
何も書けずにいるときでも、いつも気にかけてくださっていた
ガンバルおやじさんにも、心からお礼を申し上げたいです。
ありがとうございます。
そんでもって、相変わらずなブログですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします^^/
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:03)
kakasisannpoさん、こんばんは。
お話を読んでくださって、ありがとうございます。
今回はちょっと長くなりますが、よろしければお付き合いくださいね^^
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:07)
furukabaさん、こんばんは。
お話を読んでくださって、ありがとうございます。
イラストはPCのちっちゃなマウスパットの上で書いていますので、
線もぷるぷるしちゃっています。
おまけに、描き始めのころの絵ですし・・・と、いい訳をいっぱいしておきます(笑)
しばらくお付き合いくださいね☆
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:10)
qoo2qooさん、こんばんは。
お話を読んでくださって、ありがとうございます。
今回はちょっと長いけれど、よろしければしばらくお付き合いしてくださいね^^
それに4000nice!のお祝いまで言ってくださって、
とてもうれしかったです。
qoo2qooさんが押してくださるnice!のひとつひとつにも、
たくさん励まされました。
ありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:14)
NsHomeさん、こんばんは。
お祝いを、ありがとうございます。
長い年月と、皆さんのおかげの4000でした^^
生き物を育てるのには、本当に覚悟が必要ですね。
途中で投げ出すことは、最初に手を差し伸べずに見逃すことよりも残酷なことかも知れません。
手を差し伸べなかったのは、NsHomeさんのとても深い愛情そのものだったのだと思います。
元気に生き抜いていてくれるといいですね。
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:21)
yannさん、こんばんは。
4000nice!のお祝いを、ありがとうございます^^
yannちゃんの残してくださったnice!な足跡にも、
感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
こんなうれしいお話の後になんなのですが・・・。
やはり、あの唐突な突発的なフォト止めます宣言には、
もぉ～!!!と、怒りが・・・・(汗)
止めるにしても、もう少しやりようがあると思うのですけど。。
なんだかねぇ～
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:27)
ララアントさん、こんばんは。
お話を楽しんでくださって、ありがとうございます。
ふふふ。。。
ちょっと不安な予告も散りばめてみました(笑)
少し長くなりますが、最後までお付き合いくださいね^^
4000nice!のお祝いも、ありがとうございました。
ララアントさんが押してくださるその一つひとつが、
ここまでたどり着かせてくれました。
ありがとう♪ これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
そうそう。。。覚書のことね。
あたしはソネフォトも利用していたんです。
ずっとあるものだと思っていたのに、前触れも無く突然止める宣言をされちゃって・・・。
なんだか悔し紛れに愚痴をこぼしていたのでありました(汗)
プロフィールのページ(ブログクルーザー)なんかも無くなるらしいですよ。
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:35)
すぅ〜ちん♪さん、こんばんは。
お話を読んでくださって、ありがとうございます。
今回はちょっと長くなるけれど、しばらくお付き合いしてくださいね^^
それと、たくさん見てくださって、たくさんnice!をくださって、
ありがとうございます。
4000nice!のお祝いも、すっごくうれしかったです。
これからも、よろしくお願いいたします^^
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:37)
gehirnさん、こんばんは。
本当はいっぺんにアップしたほうが、読み応え感はあるんだけど、
今回はちょっと長すぎました(笑)
小出しになっちゃいますが、最後まで読んでいただけるとうれしいです^^
(こっちの雪は、すごかったですぅ。。。)
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:41)
彩美さん、こんばんは。
4000nice!のお祝いを、ありがとうございます。
これからも、のんびりと長～く続けられたらなぁ・・・と思いますので、
今後とも、長いお付き合いを♪
お話も読んでくださって、次回を楽しみにしてくださって、
ものすっごくうれしいです。
ちとなごうござんすが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします^^
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:45)
mituさん
takemoviesさん
majoramuさん
rebeccaさん
ぼんぼちぼちぼちさん
西尾征紀さん
こうちゃんさん
Bon-Papaさん
kjislandさん
こんばんは。
見てくださって、ありがとうございます。
拙いお話ですが、よろしければまた読みに来ていただけると
とてもうれしいです。
by ゆめ乃 (2010-01-15 02:54)
ハイ！お邪魔に来ましたデスゥ～♪
今から読みますデスよ～(^^)v
by の (2010-01-19 00:14)
のさん、こんばんは。
読みにきてくださって、ありがとうございます。
今回はちと長いので、こころしてくだしゃんせ(笑)
by ゆめ乃 (2010-01-19 03:25)
優しいお父さんですね。
本当は犬が大好きだったんですね。
おっと!!
4000niceおめでとうォ～ \(^o^)/
by e_chan (2010-01-20 23:26)